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棋士羽生善治・永世七冠までの軌跡を振り返る

将棋界のスーパースター羽生善治棋聖が新たな金字塔を打ち立てようとしています。

今期(平成29年)の竜王戦七番勝負に勝つと将棋界で今まで誰も成し遂げたことのない初の永世七冠の誕生となります!

そんな、羽生棋聖の棋士人生はどのような軌跡を描いてきたのでしょうか?

目次

棋士羽生善治プロフィール

史上初の七冠達成、など前人未到の記録を作って今なお最前線で活躍している羽生さんのプロフィールを書いていきたいと思います。(H29.11現在の記録です。)

羽生さんは1970年9月27日生まれで現在47歳です。奥さんは元アイドル歌手の畠田理恵。

タイトル獲得合計数は98期で歴代1位、一般棋戦優勝回数は44期でこちらも歴代1位タイです。

将棋界には現在タイトルは8つありまして、そのうちの一つは叡王戦といって今年できたばかりの棋戦のため永世称号の条件が示されていませんが、他の7つのタイトルには永世称号があり、羽生さんはそのうちの6つを獲得してきました。残すは竜王戦ただ一つで、今期勝つと最後の永世称号を獲得することになります。

※永世称号とは各棋戦で一定の条件を満たすと付与される名誉称号となります。(獲得者および獲得条件等については記事一番下をご参照ください)

余談ですが、羽生さんは6つの永世称号の他に名誉NHK杯選手権者も持っています。早指し棋戦である、TV棋戦のNHK杯を通算なんと10期獲得したため付与されたものです。これは、タイトル棋戦と違いタイトル保持者を含めて全員トーナメント方式で戦う形式を取っているため、全ての棋戦のなかで最も難易度が高いと言われており、今後羽生さん以外に取る人は現れないのではとも言われております。

まさに棋神のごとき強さを誇ります。

そんな天才棋士羽生善治の軌跡を小学生時代から遡ってみたいと思います。

 

小学生時代から中学生棋士まで

まずは、天才少年と呼ばれた小学生時代から中学生までを振り返ってみたいと思います。

羽生さんの生まれは埼玉県所沢市その後東京都八王子市に移住しています。

将棋は小学生の時から驚異的な強さを見せ、小学校低学年の頃から色々な大会で入賞し、その世界では知らぬ者がいない程になります。ちなみに、お母さんが将棋の大会ですぐに見つけやすいようにということで、広島カープの帽子を被せていたため、恐怖の赤ヘルという異名を持っていました。

同級生には後のライバルとなる森内俊之九段がおり、小学生の頃から対局していました。小学生の時羽生さんと対局した森内さんが「子供なのにこんなに将棋が強い人がいるんだ、世の中広いなぁ」と思ったそうですが、後に「羽生さんほど強い人はいなかった」と気づいたというのは有名な逸話です。

そして将棋のプロになる養成機関の奨励会に入会後は順調に昇級し、加藤一二三(ひふみん)、谷川浩司に次ぐ当時としては史上3人目の中学生棋士となります。

 

プロデビューから七冠達成まで

羽生さんの初年度の成績は輝かしいもので、ちょうど現在活躍中の5人目の中学生棋士である藤井聡太四段の活躍と重なります。

デビューの年度にいきなり勝率一位と新人賞を受賞します。

その後、1988年にはかの有名なNHK杯で活躍が待っています。なんと、その当時の現役の歴代名人経験者を全員を倒し優勝してしまうのです。

特に加藤一二三との対局は有名で、その時に見せた神の一手ともいうべき伝説の▲5二銀は将棋界では知らぬ者が以内くらい有名です。その鋭い読みから放たれる、まるで手品のような差し回しに、羽生さんの好手は「羽生マジック」というように形容されています。

 

 

そして、1989年に竜王戦トーナメントを勝ち上がり、タイトルに初登場します。その時の相手は、島朗で伝説の研究会である「島研」(羽生善治、森内俊之、佐藤康光が在籍)の主催者でした。

そして、フルセットの末念願の初タイトルを獲得します。この時の19歳2ヶ月でのタイトル獲得は記録は当時最年少のタイトル獲得記録でした。(後に屋敷伸之が18歳6ヶ月で棋聖を獲得)

現在大活躍中の藤井聡太四段にも記録塗り替えの期待が高まりますね。

 

史上初の七冠独占と6つの永世称号

その後、1990年に谷川浩司に竜王を奪還されますが、1991年に棋王を獲得、1992年に王座と再び竜王を獲得、1993年には、棋聖、王位を獲得し五冠を制しますが、同年に竜王を佐藤康光に奪われ四冠になります。

1994年には名人を獲得し史上初の再び五冠。そして、同年に再び竜王を奪取し史上初の6冠に輝きます。残すは谷川浩司が保持する王将のみとなります。

1995年に王将戦の挑戦者となりついに史上初の七冠の記録に期待がかかります。しかし、この年は特別な年で阪神淡路大震災が起きた年でした。当時の谷川浩司王将も被災し、この年の王将戦いは並々ならぬ闘志を燃やしていました。その谷川浩司王将の前に羽生さんは破れてしまいます。

夢の七冠達成は夢のまた夢なのか、と誰もが思いました。

ですが、ここからが羽生さんの凄いところで、その次の年度の保持していた6冠全てを防衛し、なんと再び王将戦の挑戦者となるのです。まるで少年漫画の主人公です。

そして、谷川王将との番勝負をストレートで下し、1996年2月14日に夢の七冠に輝きました。当時はTVでニュース速報も流れ、羽生善治は一躍時の人となりました。日本全国で知らぬ人はいない、と言ったくらいでして、まさに今年の藤井聡太四段の29連勝の時の現象と似たような状況でした。

 

 

その後永世称号を6つ獲得し現在へ

その後は、七冠から後退したものの、初タイトル獲得以来現在まで無冠だったことはありません。19歳から47歳までずーっとです。羽生九段と呼ばれたことはありません。

その後もタイトルを保持し続け、2008年には6つ目の永世称号である永世名人の資格も取得します。残すはあと1つ永世竜王のみというところまできます。

そして、役者羽生善治はちょうどその年の竜王戦の挑戦者となり、あと1期獲得すれば竜王となる状況で、4人目の中学生棋士である渡辺明竜王に挑戦することになります。

この竜王戦が激闘でして、将棋史に残る名局だらけのタイトル戦となりました。この番勝負、羽生さんが3連勝というスタートを切り、永世七冠まであと1勝というところまでやってきます。

が、勝負の世界は厳しいものです。四戦目に羽生さんが勝勢で、竜王獲得目前というところで、渡辺明竜王が奇跡的な逆転をします。詰むや詰まざるやの大激戦でした。この勝負に敗れた羽生さんはここからなんと将棋界初の3連勝からの4連敗となり、竜王獲得ができませんでした。マスコミが大勢詰め掛けてましてたが、永世七冠になれなかった様子は羽生さんファンとしては辛いものがありました。

そして、羽生さんはその後2010年にもう一度竜王戦に登場しますが、その時も竜王を獲得できませんでした。

直近の将棋界では若手の台頭が著しく、羽生さんもそう簡単に勝てなくなってきました。2017年には菅井竜也、中村太地にそれぞれタイトルを奪われてしまい斎藤慎太郎から防衛した棋聖の1冠のみとなってしまいます。

 

 

2017年第30回竜王戦

しかし、やはりスーパースターは違います。

今年は調子が悪かったように見えて、今まで相性の悪かった竜王戦の挑戦者になるのでした。もしかして、今年は竜王戦にかけていたのか?なんて思ってしまうくらい出来過ぎています。

しかも記念すべき第30期の竜王戦で。

そして、今期の結果は

第1局 10/21,22 羽生勝ち

第2局 10/28,29 羽生勝ち

第3局 11/4,5 渡辺勝ち

第4局 11/23,24 羽生勝ち

 

とな理、3−1で羽生さんがあと1勝で竜王を獲得し、永世七冠の達成まで目前というところまで来ました。

将棋ファンとしては涙モノの展開です。

次局の第5局はは12月4,5日に開催されます。

勝負から目が離せません!

 

 

 

参考・永世称号獲得条件、獲得者一覧(wikipediaより)

 

永世称号

永世称号

条件

該当者

資格獲得年

襲位(就位)年

備考

永世竜王

連続5期または通算7期

渡辺明

2008年

(現役棋士)

永世名人

通算5期

木村義雄

1952年

1952年

十四世名人

大山康晴

1956年

1976年

十五世名人

中原誠

1977年

2007年

十六世名人

谷川浩司

1997年

(現役棋士)

十七世名人資格者

森内俊之

2007年

(現役棋士)

十八世名人資格者

羽生善治

2008年

(現役棋士)

十九世名人資格者

永世九段

連続3期

塚田正夫

1954年

逝去後の1978年に名誉十段が追贈される。

永世十段

通算10期

大山康晴

1988年

1992年

中原誠

1988年

1994年

永世王位

連続5期または通算10期

大山康晴

1964年

1992年

中原誠

1977年

2008年

羽生善治

1997年

(現役棋士)

名誉王座

連続5期または通算10期

中原誠

1996年

2007年

羽生善治

1996年

(現役棋士)

永世棋王

連続5期

羽生善治

1995年

(現役棋士)

渡辺明

2017年

(現役棋士)

永世王将

通算10期

大山康晴

1965年

1973年

羽生善治

2007年

(現役棋士)

永世棋聖

通算5期

大山康晴

1964年

1992年

中原誠

1971年

2008年

米長邦雄

1984年

1998年

羽生善治

1995年

(現役棋士)

佐藤康光

2006年

(現役棋士)

名誉NHK杯選手権者

通算10回優勝

羽生善治

2012年

 

 

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