子供が発達障害を持っていると生活面や教育面で大変苦労することになります。
そんな時に役立つのが療育手帳ですが、発達障害の子供でも取得することはできるのでしょうか?
詳しく解説していきたいと思います。

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発達障害の人が療育手帳を取得すると何が良いのか?

療育手帳のメリットはたくさんあります。
特別児童扶養手当などの手当、年末調整の障害者控除や、各種交通機関の割引、各種入場料の割引、などざっと挙げれてみてもたくさんあります。しかも持っていて損することはありませんし、いらないと思ったらいつでも自分から返還できます。

(メリット・デメリットの詳細については以下記事を併せてご覧ください)

療育手帳のメリットとデメリットとは?発達障害でも取得できる?

発達障害の人は見た目では分かり辛い所がありますのが、療育手帳を持っているとその障害の客観的な証明になります。
そのため市役所等の様々な手続きでも証明書の省略ができる場合があるなどスムーズに手続きできることが多いですし、保育園・幼稚園・小中学校などで「配慮の必要がある人なんだ」と判断される後押しにもなります。

 

学校などでは逆にその点(障害者だと思われること)をデメリットに感じる方がいるかもしれませんが、障害は一生付き合っていくものですので、長い目線で考えることが必要です。将来就職して自立するまで対象の子供にとって最良の選択をしていくことが必要ですので、その時に療育手帳があればその手助けになることは間違いありません

 

また、療育手帳を取得していると就職する際にも力を発揮します。障害者枠として採用に応募することが可能になります。
障害が軽く一般枠で頑張ろうと思えばチャレンジできますし、配慮が必要だということであれば障害枠での採用に応募すればよいということになります。

発達障害でも療育手帳は取得できる?

発達障害でも療育手帳は取得できるか?については、
「YES」の場合もあるし「NO」の場合もあるという回答になってしまいます。
実際に発達障害があって療育手帳を取得できる人も大勢いますし、残念ながら取得できない人もいるからです。

それは「手帳制度の問題」と「地域による判定のバラつき」が存在しているためです。

発達障害者の専用の「手帳」が無い

前提として、療育手帳は「知的障害者」向けの手帳になります。

身体障害者の人は「身体障害者手帳」、知的障害者は「療育手帳」、精神障害者は「精神障害者保健福祉手帳」がありますが、発達障害の人は専用の手帳というものがありません、発達障害は比較的新しく認知された「障害」ということで手帳制度が確立されていません。ですので、発達障害の人は「療育手帳」または「精神障害者保健福祉手帳」のいずれかを取得することになります。基本的には知的に遅れがある場合は「療育手帳」、知的に遅れがない場合は「精神障害者福祉手帳」を取得することになります

・参考  発達障がい者に対する療育手帳の交付について(概要)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000081476.pdf

療育手帳は判定に地域のバラつきがある

療育手帳は都道府県または政令指定都市が発行するものですので、療育手帳を発行するかどうかは各自治体の判断になります。

厚生労働省の療育手帳の概要によるとIQ35が未満 (目や耳や肢体不自由の場合は50未満) の場合は重度(A)、それ以外(B)とされています。Bの基準を「重度以外」としているため、各自治体の判断により交付対象者を判断する必要があります。軽度発達障害の基準はおおむねIQ70未満(自治体によっては75の場合もあり)です。

・参考 療育手帳制度の概要
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001vnm9-att/2r9852000001vota.pdf

しかし、神奈川県、横浜市、川崎市では、いわゆる高機能自閉症やアスペルガー症候群など方を対象に「知能指数が境界線級」の場合も療育手帳の発行を認めることになっています。その境界線級のIQは76~92という数値です。
下記資料は少し古いですが、そんな中でも柔軟に対応している自治体も見受けられますが、対応しないと明確にしてている自治体もあります。実質、自治体によって差ができてしまっているのが現状です。

・参考 ( 発達障害検討委員会資料 平成18年 1月23日 横浜市障害者更生相談所)
http://maroon.way-nifty.com/welfare/shougai_techou_kijun/09_ryouiku_yokohama.pdf

療育手帳が取得できない場合は精神障害者保健福祉手帳を申請しましょう

療育手帳が取得できないと困るのは境界線の人

上記のように発達障害の手帳制度は確立されていません。
しかし、発達障害の性質から知的に遅れがなくても、コミュニケーションに問題があり支援を必要としている人が大勢いるのも事実です。

そこで困ってしまうのは知的な遅れが無い発達障害の人でいわゆる境界線のグレーゾーンにいる人です。
グレーゾーンの人の場合、まず発達障害に気づくことに遅れてしまい療育を早期から受けられない場合があります。そのため年齢が上がって発達障害への対応が遅れ二次障害になってしまう可能性もあります。発達障害は早期の療育が必要ですし、二次障害になった場合はさらなる支援が必要です。

また、現在受けている教育の問題や将来の就職先の問題まで考えなくてはなりません。

知的に遅れがない場合は精神障害者保健福祉手帳の選択肢もある

発達障害があり療育手帳がもらえない方でも取得できるのは「精神障害者保健福祉手帳」という制度です。
受けられるサービスとしては療育手帳よりも一部少ないですが、主要な支援である教育・就労支援を受けることができます

精神障害者保健福祉手帳は療育手帳と同様に都道府県または政令指定都市が発行する手帳で、精神障害として「統合失調症」や「そううつ病」、「
発達障害」などの人が取得できます。精神障害は症状が変わりやすいため手帳の更新は2年ごととなっています。

対象者に「発達障害(自閉症、アスペルガー症候群、ADHDなど)」が含まれているため、知的に遅れがない自閉症などの発達障害の人は原則取得できます。(医師の証明が必要です)ちなみに、知的障害のある発達障害は療育手帳と精神障害者福祉手帳両方取得することも可能です。

こちらも療育手帳と同様に取得しておいて損は全くない手帳ですので、療育手帳が取得できない発達障害の方はぜひ取得しましょう。

 

まとめ

発達障害の人でも療育手帳を取得することができますが、知的に遅れのない発達障害の場合は取得できない可能性もあります。
もし、療育手帳が取得できなかったけど、支援が必要であるという場合は精神障害者保健福祉手帳の取得を考えてみてください。

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